「誰か良い人いない?」はもう限界。リファラルで本当に欲しい人と出会える戦略とは

カテゴリー 名刺×採用

こんにちは。名刺アプリEightの村上です。

「誰か良い人いない?」

人事部の採用担当者からそう聞かれて、とっさに答えられなかった経験が何度かあります。よく考えれば知り合いの中にもきっと「良い人」はいるはずなのですが、残念ながらすぐには思いつきませんでした。

それに、そもそも私と採用担当者が思う「良い人」がズレてるかもしれないから、たとえ「良い人」がいても紹介するのをためらってしまうかもしれません。

このように、社員が自社と採用候補者の橋渡しをする「リファラル採用」は、自社にマッチする人材に出会いやすいというメリットがある一方で、「社員が知り合いを紹介するハードルが高く、応募が集まりにくい」ことが課題として挙がっています。そうした課題を解決するためのサービスが、名刺アプリEightが提供する「Eight Career Design(以下ECD)」です。

ECDは、リファラル採用ダイレクトリクルーティングの仕組みを提供する法人向けサービス。今回は、ECDのカスタマーサクセスとして日々顧客に向き合っている菅原章太に、リファラル採用における課題と、それを解消するための戦略を聞きました。

※ 自社社員が知人を採用候補者として推薦・紹介する制度

名刺アプリEight
Eightは、無料で使える個人向けの名刺アプリです。スマートフォンで名刺を撮影するだけでデータ化され、手間なく名刺管理ができます。データ化の速度と正確性には定評があり、2012年のサービス開始以来、高精度の「自動読みとり」と「スタッフの手入力」を組み合わせた技術は、常に進化を続けています。名刺交換をした相手もEightを利用していれば、あなたのビジネスネットワークに加わります。異動や昇進などで名刺が変わった際には通知が届き、「近況の投稿」や「メッセージ」で情報交換も可能に。日々の仕事の出会いが、新たなビジネスの可能性につながります。

目次


採用戦略の鍵は、ターゲットとEVPの明確化

──菅原さんの業務内容をお聞かせください。

ECDを導入したお客様=企業の採用担当者が、サービスの利用を通じて良い人材に出会うことをサポートしています。サービスの利用方法をお伝えすることに加え、お客様がどんな人材を求めていて、その人材に対してどうアプローチしていくかを一緒に考えるのも重要なミッションのひとつです。採用ターゲットの設定や、それに沿った募集要項の作成、スカウトメッセージの文面作成などを幅広くお手伝いしています。

──サービスを利用する前段からサポートしているんですね。

ECDのお客様の中には、転職エージェントを利用せずに、自社だけで採用を行う「インハウス・リクルートメント」の方式をとる企業も少なくありません。この方式は、広報からマーケティング、営業までを一気通貫で行うようなもので、想像以上にコストがかかります。そこで、カスタマーサクセスの一環として、ECDの利用を始める前段の採用戦略を考えるプロセスから伴走しています。

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Sansan株式会社 Eight事業部 菅原章太 2012年に入社。インサイドセールスのリーダーを経験し、2015年にカスタマーサクセス部門に異動。中小規模向けコンサルティンググループの責任者、解約察知専門部隊の立ち上げ、大企業向けコンサルタントを兼務。2018年から名刺アプリEightが提供する採用サービス「Eight Career Design」の立ち上げと採用部門を担う。合気道の指導者としての顔も持つ。

──お客様と採用戦略を考えるときのポイントは何でしょう?

採用ターゲットEVP(Employer Value Proposition)を明確にすることです。EVPとは「企業が従業員に提供できる価値」を指します。つまり、自社に必要なのはどんな人材かをクリアにしたうえで、その人材に対してどんな価値を提供できるかを第一に考えます。

ECDではリファラル採用とダイレクトリクルーティングの仕組みを提供していますが、いずれにおいても、この2つが鍵となります。

例えば、募集要項に「募集職種:経理」と書いてあるだけでは、採用候補者が「なぜこの会社に応募するのか」、その理由が見つかりません。でも、「RPAを活用した経理の仕組みを構築するポジション」ならどうでしょう。

実際に会って話したら魅力的な企業も、どうしてもブランド力や給与などが候補者の需要にマッチせず、「会う」に至らないケースがあります。だからこそ、「自社がどんな価値を提供できるのか」を明確にする必要があるんです。

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「良い人」を思い出せない社員紹介のハードル

──ECDの2つの仕組みのうち、リファラル採用においてはどんな戦略が考えられますか。

基本は同じで、採用ターゲットとEVPを明確にすること。リファラル採用では、「社員が知り合いを紹介するハードルが高く、応募が集まりにくい」ことが課題として挙がっています。

原因はさまざまですが、採用ターゲットを明確にすることで少なからずハードルは下がるはずです。「誰か良い人いない?」より、「〇〇の経験がある、〇〇というスキルを持った人いない?」と具体的な条件を挙げて聞かれた方が、知り合いの中から候補者を想起しやすいですよね。

──つまり、候補に挙がりそうな人を思い出せないというのが「紹介のハードル」なんですね。

はい、そうです。例えば、村上さんの知り合いの中から、弊社で活躍できると思う人を5人挙げてみてください。

──前職のMさんと、Aさんと…意外と思い出せませんね。

そう、意外と挙がらないんです。ちなみに、何枚くらい名刺をお持ちですか?

──Eightに取り込んだ名刺は900枚くらいです。

900枚も名刺があったら、いま名前が挙がった2人のほかにも良い人がいると思いませんか? でも本当は知っているはずの「良い人」を思い出せない。これがリファラル採用の難しい点ですね。

ところで、先ほど名前が挙がった2人とはどんな間柄ですか?

──前職で直属の上司と、よく相談していた先輩です。

多くの場合、聞かれてパッと名前が挙がるのは、いまおっしゃったような「強いつながり」です。でも、もしかしたら数年前に一度だけ仕事をした「弱いつながり」の中に、自社が求める人材がいるかもしれません。

その可能性を広げられるのがECDです。ECDが基盤としている名刺アプリEightでは、各々が過去に名刺交換した人を一覧からさかのぼって「弱いつながり」も確認できます。

さらにECDでは、社内のネットワークを活用し、採用候補者との橋渡しを社員に協力してもらうための仕組みを提供しています。これは、社員が紹介してくれるのを待つ従来のスタイルとは大きく異なり、人事が自ら仕掛けていける新しいリファラル採用の仕組みです。

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ECDの管理者向け画面。左が採用候補者の一覧、右が選択した候補者のプロフィール。自社社員からの同意を得られた場合に、自社社員と候補者とのつながりを確認し、橋渡しの協力を仰ぐことができる。

候補者を惹きつけるのは、同じ会社出身の人が活躍しているから

──ECDではダイレクト採用の仕組みも提供していますが、スカウトを送るにあたってどんな戦略がありますか?

3つあります。1つは、リファラルと同じように、自社が欲しい人材のペルソナをもとに、候補者のターゲットを定めること。しかし、ターゲットを定めたとしても、積極的に転職活動をしている人の中からは、欲しい人材がなかなか見つからないことがあります。

そこで2つ目に重要なのは、欲しい人材がいる市場を開拓することです。私は、積極的に転職活動をしていない人の中にこそ、企業が求める人材がいると考えています。実際、転職サービスに登録していなくても「良い話があれば聞いてみたい」と考えるビジネスパーソンが多数派を占めることもわかっています。

さらに、その開拓した市場の中で、自社に興味を持つ可能性の高い候補者をターゲティングすることが重要です。これが3つ目です。

ECDでは、そうした今は積極的に転職活動をしていない人に対してアプローチできる仕組みも提供しています。

※ Eightユーザー一人ひとりの転職の意向に応じてスカウトを送る仕組みです。「スカウトを受け取らない」と設定したユーザーに対してスカウトを送ることはできません。

本当に欲しい人材は”転職市場”の外にいる。社員のつながり=人脈から見つけ出そう

──自社に興味を持つ可能性が高いのは、どんな人ですか?

自社社員とつながりがある人は、スカウトを受けとった時に興味を持つ可能性が高いことがわかっています。つながりがない人と比べて、自社に対する理解度が高い傾向にあるからです。ECDでは、自社社員の協力のもと、つながりのある候補者を抽出しアプローチできます。

さらに、自社社員のキャリアの傾向から、自社と親和性の高い候補者を抽出しアプローチすることも可能です。例えば、「今あなたが勤めている(過去にあなたが勤めていた)会社出身の人が活躍しています」とスカウトを送れます。

「自分は他社に行っても通用するか?」「給与は上がっていくか?」を不安に思う候補者は少なくないと感じます。そこで、自分と同じキャリアを持つ社員がいるということが、企業に対する安心感につながります。実際に、自社と関連の薄い候補者へのスカウトメッセージに比べて返信率が約2.5倍上がることが分かっています。

ECDではいま、さらに企業と候補者とのマッチ度を上げていくために、より細かくターゲットを絞れる機能を開発中です。企業が欲しい人材のペルソナにより近い候補者を抽出できるようになるでしょう。例えば、同じ「広報」だったとしても、メディアリレーションが得意な人もいれば、ブランディングのための文章を書くことを強みとしている人もいます。これまでは履歴書を見るまでその違いを知ることは困難でしたが、ECDできっと実現してみせます。

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ECDを利用しているお客様から参加者を募り、黙々とスカウトメッセージを送る「もくもく会」を2週間に1回のペースで実施している。スカウトメッセージを送るためのレクチャーや、採用担当者同士の交流会も行なっている。ECDの開発者も参加し、お客様から直接フィードバックをいただくこともあるのだとか。

──ECDは、採用活動と転職活動の新しい在り方を提示していると感じました。これからどんな状況をつくっていきたいと考えていますか?

企業の採用担当者に対しては、「転職活動をしている人の中から採るもの」という価値観を変えていきたいです。いま目の前の仕事に夢中になっていて、転職をする必要も時間もない人の中にこそ、自社が本当に求める人材がいるのではないか。その可能性を追求していけるのがECDだと考えています。

候補者(Eightユーザー)に対しては、さらに可能性を広げられることを知るきっかけを提供したいです。いまの環境を良いと思っている人の大半は転職活動をしないでしょう。ただ、自身が活力に満ち溢れた状態の時にこそ、自身のキャリアを前進させられる転職ができると私は信じています。

これはあくまでも個人の経験による感覚ですが、「この会社ではないどこかに転職したい」と思うような精神状態の時に、良い転職は成就しにくいと思います。良い環境にいて、良い精神状態の時にこそ、可能性はさらに広がっていく。ECDを通じて、そんな転職を増やしていければと思います。

Eight Career Design(ECD)
Eight Career Designは、名刺アプリ「Eight」が提供する企業向けの採用サービスです。アメリカで主流のダイレクトリクルーティングおよび、タレントプールの仕組みを取り入れ、従来の転職市場にはない価値を提供します。

文・写真/村上知香

2016年12月、新しい価値を生み出す事業内容に惹かれ、Sansan株式会社に入社。ビジネスSNS Eightのプロジェクトマネジャー(PM)として、ユーザーのエンゲージメントを向上させるための機能開発を推進。

2018年1月、Eightが運営するメディア「Business Network Lab(BNL)」編集部に異動。「Eightの便利な使い方をもっと広めたい」という思いから、「Eight Tips」カテゴリを立ち上げる。

同年6月、「Eight Tips」の拡張版としてEight公式ブログ「Eight Blog」を開設。同ブログでは、使い方紹介に加え、ユーザーの活用事例や社員インタビューなどのコンテンツを配信。