Eight TeamとHubSpotを活用した売上アップにつながる顧客管理の方法【セミナーレポート】

2023年4月19日に、顧客管理ツール「HubSpot」と、弊社の中小企業向け名刺管理サービス「Eight Team」が共催セミナーを開催しました。
HubSpotとEight Teamを連携させ顧客管理をしている株式会社ネクスタの代表である永原様に、顧客管理の設計方法についてお話しいただきました。
本記事では、そのセミナー内容をレポート形式でお伝えします。
「Eight」が提供する中小企業向け名刺管理サービスです。スマホで名刺を撮影するだけで、高精度でデータ化され、社内の名刺を一元管理ができます。相手がEightユーザーの場合は役職変更、転職など最新の情報をキャッチすることもできます。
HubSpotとは
HubSpot社が提供する、クラウド型のCRM(顧客関係管理)プラットフォームです。
営業やマーケティング、カスタマーサービスなどの様々な部門に向けて優れた顧客体験を実現するための製品を揃えており、部門間の連携強化と顧客起点のビジネス成長を支援します。
目次
- 登壇者の紹介
- 前職のキーエンスが顧客管理の理想像
- 理想実現のために、HubSpotとEight Teamを導入
- 運用定着のために、営業メンバーに顧客管理の重要性を伝え続ける
- 営業プロセスが可視化され、リアルタイムに改善が可能に
- 顧客管理を始めようとされている方へメッセージ
登壇者の紹介
──はじめに、永原様の自己紹介をお願いします。
はじめまして、株式会社ネクスタで代表をしております、永原と申します。大学卒業後、キーエンスにて全国トップの成績を収めた後、3年で退職。その後、父親が創業したシステム会社で経営や新規事業を学び、独立。現在は製造業向けのシステム開発を手掛ける株式会社ネクスタの代表を務めています。
──ありがとうございます。次に、会社についてのご紹介をお願いします。
私たちは製造業向けに生産管理システムを提供しています。多くのベンダーが高額なカスタマイズ製品を提供する中、弊社ではノーコードを採用し、自社に合ったシステムを低コストで導入できる製品を提供しています。事業は成長を続けており、人員も順調に増やしているという状況です。

訪れた工場は累計で3,000社以上に上り、そこで得た知見と経験が日々の経営に生かされているそう
前職キーエンスの顧客管理が理想像
──顧客管理を始める際に、どのような理想像を持っていましたか?
私の前職であるキーエンスの徹底的な仕組み化が、弊社の顧客管理の基盤となっています。キーエンスが素晴らしいと感じた点は、「どのようにすれば売上が上がるか」がデータ化されていることでした。一定の情熱さえあれば、新入社員でも「この方法を用いれば営業成果が上がる」というナレッジが社内に蓄積されていました。これにより、営業の仕組み化が可能となっています。
データ可視化のため、キーエンスではかなり昔からCRMを自社開発していました。このCRMには電話回数、打ち合わせ回数、顧客の規模や業種、抱える問題や売上が上がらなかった理由など、多岐にわたる情報が蓄積されていました。これにより、「どのようにすれば売上が上がるか」「どのようにすれば売上が上がらないか」といった分析ができるようになっていました。
営業の仕組み化のために、HubSpotとEight Teamを導入
──Eight TeamとHubSpotを導入されたきっかけは何ですか?
顧客管理の重要性は理解していたので、一人で営業を行っていた時期からCRMツールを利用していました。当時はHubSpotではない別のCRMツールを利用していたのですが、組織が拡大しマーケティングの仕組みも整える必要が出てきた際に、費用が嵩むことがネックとなりました。
安価にできるツールを探す中で、HubSpotを検討・選定しました。
──多くのCRMツールがある中で、なぜHubSpotを選んだのですか?
マーケティングから営業管理、顧客管理など全体通して非常に機能が充実していて使いやすかったことが理由です。加えて、最初に利用していたCRMツールからの移行も簡単で、金額も安価に抑えることができました。総合的に見て、HubSpot一択かなと考え選定しました。
導入後も、HubSpotはすごく使いやすいなと感じています。弊社ではログを残すことを重視しているのですが、営業ログの残しやすさなどは特に優れており、うまくUIUXが設計されてるなと感じています。
──一方、Eight Teamの導入のきっかけはいかがでしょうか?
私たちは製造業向けの展示会に積極的に出展し、名刺交換をしています。当時から商談可能性がある名刺や案件はCRMで管理できていたのですが、それ以外の名刺が大量にたまってしまっており、管理ができていませんでした。すぐに商談につながらない方も、適切に管理し、メールマガジン配信などを通じて将来的な案件獲得につなげることが重要だと考え、Eight Teamの導入を検討しました。
──名刺管理サービスの中でEight Teamを選定された理由を教えてください。
名刺情報をデータ化する際、精度が低いと手動で修正する必要があり、その作業が手間取ってしまいます。そのため、データ化の精度が最も重要な要素でした。Eight TeamはSansan株式会社が提供しているサービスのため、精度に信頼がありました。また、HubSpotとの連携が可能であることも魅力的で、導入を決めました。
──導入を決めた際、現場の方々の反応はどうでしたか?
HubSpotを導入した際に「既に別のCRMを使っているのになぜ?」と疑問の声があがりましたが、私たちが目指す目的をきちんと説明し、理解を得ることができました。実際に導入と移行作業が終わった後は、HubSpotの使いやすさやログ記録の重要性を営業メンバーも理解し、ポジティブに受け入れてくれました。
逆にEight Teamは圧倒的に反応がよかったです。展示会後に写真を取るだけで、すぐにリスト化されCRMに入ってるというのは、非常に便利ですごく喜んでもらっていますね。

運用定着のために、営業メンバーに顧客管理の重要性を伝え続ける
──現在、2つのサービスはどういった形で活用されているか具体的に教えていただけますか?
まず、展示会や日々の業務で名刺交換をした際には、その日に必ずEightで撮影し、データ化することをルールとしています。このデータ化した名刺情報はHubSpotに取り込まれ、以後はHubSpotで一元管理します。
HubSpotでは、顧客担当者と会社というオブジェクトを作成しています。案件が発生すると、それを「商談」という新たなオブジェクトに関連付けます。このオブジェクトには、お客様の業界や業種などの情報、打ち合わせのタイミングや内容、受注の確率と予定日など、さまざまな情報を関連付けて記録します。
これにより、「いつ何件受注するか」の予測、営業活動の進捗状況、どの顧客に対して営業が受注しやすいのか、などの商談分析が可能になります。情報を詳細に記録するため、1つの案件については80項目以上の入力をしています。
──80項目はすごいですね。それだけ多いと入力も大変だと思いますが、営業の方に入力を徹底してもらうための工夫はありますか?
本当に意味のある項目だけに絞り、日頃から入力の意義を伝えることに尽きますね。
HubSpotを導入した当初は運用できるようにできるだけ項目を少なくしていました。
営業会議などで「あれってどうなんだっけ?」「分かりません」「じゃあこういうのを残していきましょう」というように、徐々に項目を増やしていきました。途中からは現場が自発的に項目を考えてくれるようになりました。
ただ、無闇に増やしすぎるのも良くないので本当にその項目が意味があるのかを考え、定期的にメンテナンスをしています。
また、「ナレッジを溜めていくのが会社の将来に必ず役立つ」「営業活動をするだけでなく、データを入力するまでが営業の仕事だよ」ということを営業メンバーには日頃から伝えています。
──入力された情報はどう分析に役立てていらっしゃるのでしょうか?
売上の新規・既存割合や業界割合などの売上、リード数や商談数などのプロセスなど120以上のダッシュボードを作成し、可視化しています。これを営業会議などで見ながら現状の把握や今後の営業戦略を立てる際の参考にしています。

株式会社ネクスタが実際に利用しているダッシュボード
マーケティングから営業まで様々な数字を可視化している
営業プロセスが可視化され、リアルタイムに改善が可能に
──Eight TeamとHubSpotを導入してから、どのような効果があったのかをお伺いできますか?
まず、マーケティングからセールスまでの一連のプロセスが見える化され、リアルタイムで改善が可能になったことが非常に大きいです。
特にマーケティング部門では、定期的にメールマガジンを配信し、その反応を効率的にフォローアップするという取り組みが実現しました。また、これまで手付かずだった名刺情報の休眠状態もEight Teamの力を借りて解消し、展示会で得た名刺情報なども簡単に登録し、その顧客へのメールマガジン配信も可能になりました。
さらにウェブや紹介などで得た問い合わせ情報は、名刺交換なしでHubSpotのCRMに登録しています。ただ、初期の情報は正式なものでない場合が多く、その後訪問して名刺交換した際に正式な情報を得ることが多いです。その際、Eight Teamの名刺情報を元にHubSpotの顧客情報をリッチにすることができています。
顧客管理を始めようとされている方へメッセージ
──最後に、顧客管理ツールを導入しようとしている方々にメッセージをお願いします!
システムを新たに導入し使いこなすというのは、本当に大変で、時間がかかるものだと思います。しかし、営業成績を向上させるためには、活動量と成約率をいかに上げるかが大切で、それには情報の見える化と分析の2点が何より重要だと思います。
すぐに完璧に使いこなせるわけではないので、まずは始めてみて、少しずつ使いこなすことを学んでいくことが大事だなと思うので、ぜひその一歩を踏み出してもらえたらなと思います。また、私の経営者の知人の中にも、今日のようなお話をする機会も増えてきました。今後noteやTwitterでも発信していきたいと考えていますので、もしご興味がありましたら、ぜひご覧ください。
まとめ
以上、株式会社ネクスタの代表である永原様に登壇いただいた、顧客管理の設計方法についてのセミナーレポートをお伝えしました。
売上を伸ばすための鍵となるのは、顧客管理と営業の仕組み化です。永原様の取り組みを参考に、ぜひあなたの会社でも顧客管理を導入してみてはいかがでしょうか?
また、セミナーで触れられたツールの詳細を以下に紹介します。これらに関心がある方は、サービスサイトより詳細をご確認ください。
名刺管理サービス「Eight Team」
統合型CRMプラットフォーム「HubSpot」
Eight TeamとHubSpotの連携機能(Eight Teamのオプションです)