
「ご挨拶ほど、冷たいものはない」。定型文や肩書きは割愛して、単刀直入に相手とつながりたい意図から切り出しましょう。
この記事はEightが運営するメディア「BNL」から転載しています。
2018.06.18
知らない人や、よく覚えていない人から名刺交換リクエストがきて、「なぜこの人は私にリクエストをしてきたんだろう?」と疑問に思った経験はありませんか。例えば、以下の例をご覧ください。
初めまして。千代田飲料株式会社マーケティング部の荒木と申します。イベントの企画を担当しております。よろしくお願いいたします。
ビジネスの挨拶が並んでいて、やや無機質な印象を受けます。リクエストを送った理由も伝わりません。そこで、リクエストの背景を添えて、名刺に書かれている情報は割愛してみました。
初めまして。先日のマーケティングセミナーで〇〇様の講演を拝聴して、ぜひ今後とも情報交換したく、リクエストをしました。よろしくお願いいたします。
背景を添えるだけで、少なくとも疑問に思うことはなくなるでしょう。さらに、もうひと押ししたい場合は、思い切って「初めまして」と「よろしくお願いいたします」を削り、その分、自分の気持ちを加えてみましょう。
先日のマーケティングセミナーの講演で、〇〇様が紹介されていた方法を試してみたら、一回で企画が通り感動しております。ぜひ今後とも情報交換させてください。
もしかしたら、ビジネスの挨拶を割愛することに抵抗がある、という方もいるかもしれません。ただ、文字数が限られているなかで、リクエストの意図をストレートに伝えることも、ひとつの手です。
今回、リクエストのコメント例を考えるにあたって、参考にした中谷彰宏著『「ひと言」力。』では、短い文章で伝えるための99個のコツが紹介されています。なかでも参考にしたコツを1つ、最後に紹介します。
「ご挨拶ほど、冷たいものはない」
(前略)
ダイレクトに1行目からボンと出す方が相手には伝わります。講演を聞いた人に「本日はお忙しい中を時間も延長していただいて、まことにありがとうございました」と長々と書かれても、包み紙をもらっているような感じがします。
それよりは、ひと言、「どうしましょう。講演を聞いてからドキドキがとまりません」と書かれたほうが気持ちは伝わります。
- 文/村上知香
- イラスト/Eightデザインチーム